2011年8月3日水曜日

意味不明! シンポジウム"震災後の思想戦"


2011年7月30日に「頑張れ日本!全国行動委員会」によるシンポジウムがあり、そのダイジェスト版を、見たくなかったけど見ちゃいました。


目を覆いたくなるような惨状でしたので、素人ながらも矛盾に感じる点をいくつか挙げておきたいと思います。
こんな集会に人が集まるとは、、、これで日本が良くなるわけがない!


●(開始14分)宮崎正弘

・「為替相場は固定相場制にすべき」



いきなり、とんでもない暴論が出てきましたなぁ。。

Wikiより
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(市場介入)
⇒固定相場制にした場合、国際収支(=資本収支+経常収支)を均衡させるためには常に為替市場への中央銀行の介入が必要になる
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%82%E5%A0%B4%E4%BB%8B%E5%85%A5
固定相場制の下では資本移動を規制しない限り、常に介入が必要となる。

(国際金融のトリレンマ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%87%91%E8%9E%8D%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E
以下の3つの政策は同時に実現することができず、同時に2つしか実現できない。
  『固定相場制』『独立した金融政策』『自由な資本移動』
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こんな、経済学部の一年生でも知っているようなことを、この大学教授は知らないらしい。
さすが、「日本学生同盟」出身だけあって、頭の中にはマルクス経済学しか無いようです。




●(開始16分)井尻千男

・「戦後レジームから脱却しなければならない」
・「左翼のみならず親米保守に対しても思想戦を挑む」


⇒意味不明
保守主義の定義、哲学をどのように考えているのでしょうか?
この人物の頭の中では保守主義と民族主義の区別が全くつかないらしい。どうやら、保守=極右と勘違いしているようですね。ご愁傷様です。


ご参考
http://megu777.blogspot.com/2011/07/blog-post_31.html

大東亜戦争が「植民地解放戦争」「資源獲得のための戦争」「聖戦」ではなく、「スターリンと日本国内の社会主義者(極右=極左)が引き起こした社会主義革命であるなら、「戦後レジームからの脱却」をして、どうしたいんですかね?解読不能。

必要なのは「社会主義思想」「理性主義」の徹底追放ではないでしょうか?



●(開始20分)関岡英之

・「震災復興財源を確保するために米国債を売れ」(水島総も同意見らしい)
・「米国債の保有と円高により現在我が国は大幅な赤字を抱えている」

⇒米国債を売ったら、ドル暴落、そして更なる円高で、国債の売却による決済損失(確定損失)が発生します。
さらに、米国債を保有する我が国の銀行も多額の含み損を抱え、自己資本比率低下で信用収縮、そして金融恐慌になることも分からないのでしょうか?
世界的には、当然、「世界大恐慌」の再来です。


もっとも、大川周明に傾倒し、社会主義を信奉する関岡氏にとっては、世界大恐慌の再来と日本経済の破綻こそが望むユートピアなんでしょうね。
また、本音は日米安保を解消して我が国を中露へ献上したいんでしょうね。
…関岡英之の主な著作『大川周明の大アジア主義』(関岡英之著、講談社)

※大川周明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B7%9D%E5%91%A8%E6%98%8E
「内政面では社会主義もしくは統制経済、外交面ではアジア主義を唱道した」
⇒東アジア共同体を標榜する民主党の主張とそっくり!



それから、外貨準備で米国債を買っているのは当然のことです。
為替の円売り・ドル買い介入をすれば当然発生します。

逆に、今後、円が暴落した場合(日本が財政破綻すれば当然極端な円安になる)、急激な円安・ドル高阻止のための円買い・ドル売り介入の原資にもなります(実際、1998年6月17日に日米協調介入を実施した過去あり)
http://www2.kumagaku.ac.jp/teacher/~sasayama/macroecon/nenpyou73.html


また、しきりに円高で損をしていると吠えていますが、この損とは「含み損」という未実現損益のことで、確定損益ではありません。
未実現損益と確定損益を混同し、訳の分からないアジテーションを繰り返すのは見苦しい限りです。



●(開始24分)三橋貴明


・相変わらず、「国債を刷って日銀に引き受けさせろ」

⇒この暴論については別途機会を改めて解剖しますが、とりあえず、この三橋某なる者の胡散臭さをお披露目しましょう。

Wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%A9%8B%E8%B2%B4%E6%98%8E
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『1969年(昭和44年)生まれ、1994年(平成6年)に大学を卒業』

⇒2浪し4年で卒業、1浪し1年留年して卒業、現役で入学し2年留年して卒業、のいずれか。


『外資系IT企業、日本電気、日本IBMなど計10社に勤務したのち、2005年には中小企業診断士の資格を取得した。2008年(平成20年)11月、三橋貴明診断士事務所(東京都練馬区)を開設して、フリーランスの活動を開始した』

⇒1994年~2008年までの14年間で10社に勤務(平均勤続年数1年半)

IBM、NECなど大手企業はこれだけ転職回数の多い人は採用しません。
大学卒業後、入社してすぐ辞めたか、あるいは経歴詐称のいずれかでしょう。
これだけ職を転々としている人に、企業のコンサルティングなんて出来るんですかねぇ???

ちなみに2ちゃんねるへの書き込みが論壇デビューのきっかけらしいですが、あんなものに延々と書き続けるなど、余程ヒマだったんでしょうね。
私の知人でプロの経営コンサルタントがいますが、忙しくて、2ちゃんねるで有名になるほど書き殴っている時間なんてありません。
普通のサラリーマンでもそんな時間はないでしょうから、この人は開店休業状態だったか、ニートだったか、のいずれかではないでしょうか?
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いずれにせよ、学術論文ゼロ、経済学を体系的に学んだ形跡もゼロ、サラリーマンとしても平均勤続年数1年半程度の人間に、日銀のエリートたちも文句言われたくないでしょうね(ーー;)


●(開始29分)田中英道、井尻千男

・「市場経済は唯物論、共産主義」

全く解読不能な言葉です。「白い黒」とか「モグラは空を飛ぶ」という、言葉を覚えたばかりの幼児か、言葉さえ忘れたボケ老人のようですね。


●(開始32分)宮崎正弘

震災で活躍してくれた自衛隊を絶賛

⇒自衛隊員に感謝と賛辞を送るのは当然のことです。しかし、その自衛隊と共同して、空母まで展開して救助活動を行ってくれた米軍に対しては何の感謝もありません。
3月17日の、急激な円高に対して為替市場で協調介入をやってくれた米国やEU各国に対する感謝の一言もありません。

「恩知らず」とは、まさににこのことで、同じ日本人として恥ずかしいです。
私は素直に、米国をはじめ、震災対応で日本を助けてくれた世界中の皆さんに心から感謝しています。


他にもツッコミどころはいくらでもありますが、長くなりすぎるのでこの辺で止めときます。

しかし、過去に大東亜戦争の首謀者がスターリン、ゾルゲ、尾崎秀実らをはじめとする共産主義者であったこと(三田村武夫論文の紹介)を皮肉なことにチャンネル桜でやっていましたが、三田村氏をはじめ、貴重な証言を残してくれた先人に対し、非常に失礼な話です。(ちなみにスーパー売国奴として近衛文麿も加えておきます)

自分たちの主張が戦前、戦中の極右(=極左)と同じであることに気づく日は…来ないでしょうね。。


【動画】「大東亜戦争とスターリンの謀略」(三田村武夫著)の紹介

(大東亜戦争はスターリンが仕組んだ社会主義革命だった)