2011年8月14日日曜日

エセ保守監視小屋 REVIVAL 西部邁 1


チャンネル桜や、月刊WiLL誌など、いわゆる「保守論壇」で「真正保守」を豪語し、発言の機会の多い西部邁氏について、皆さんはどの程度、ご存知でしょうか?


私の印象としては保守主義者ではなく「国家社会主義者」「真正極左」という印象しか無いのですが、私の感覚がおかしいのか、それとも、今の日本の、いわゆる「保守」の感覚がおかしいのか、どうなんでしょうね???


まずは西部邁氏の略歴から、、、


wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%83%A8%E9%82%81
----

・1958年4月、東京大学に入学、三鷹寮に入る。同年12月に結成された共産主義者同盟(ブント)に加盟する。在学中の1959年から教養学部で自治会委員長を務める。同委員長の選挙の際、西部はブントのメンバーたちとともに投票用紙を偽造してすり替え、共産党員の候補を落選させる。また全学連の中央執行委員も務め、60年安保闘争に参加する。

・1961年3月、左翼過激派と訣別する。1964年3月、東京大学経済学部卒業。このころブントの活動家であった青木昌彦の勧めで東京大学大学院に進み、経済学を専攻する。指導教官は嘉治元郎。1971年3月、東京大学大学院経済学研究科理論経済学専攻修士課程修了。1972年、連合赤軍による群馬県の榛名山での集団リンチ殺人事件の報道を目にして、そのときまで多少とも左翼に共感していたことへの道徳的反省をせざるをえなくなる。

・1994年4月、真正保守思想を標榜する月刊オピニオン誌「発言者」(西部邁事務所、秀明出版会)を創刊し主幹を務めていた

----

略歴を見る限り、一応、「多少の反省」をして、左翼から保守へ転向し、現在は真正保守を標榜しているそうです。



ちなみに、世界標準の真正保守主義者(自由主義者)として有名なハイエクは、「隷従への道」(第二章)の中で、次のことを述べていますが、西部氏は大丈夫なんですかね?


(以下、ブログ主の要約)
右翼(国家社会主義)から左翼(社会主義)へ、左翼から右翼へ転向する人は多いが(世界標準の)真正保守主義者(自由主義者)は転向をしない。
なぜなら(全体主義、統制経済的な)思考回路を全く持たず共通点・妥協の余地が無いからである。





で、バードウォッチングならぬ、人間ウォッチングが大好きな私は西部氏の発言を検証してみました。



【本日の雑談9】(西部邁・弘兼憲史共著、飛鳥新社 P76~P77)

・君が代は戦う意欲が欠けているんで、それで日本の国防が貧しくなったという冗談を飛ばしたいという気持ちが僕の中にはあるんです(笑)

・(フランス革命では)王様夫婦の首をギロチンでちょん切った後に自分たちは何をしたのだろうってパリが深閑と静まりかえった。日本人はそういうことを経験していない。そろそろ何か深刻なことを経験してみないと、おのれらの罪深さを感じられないのではないか

・僕はこう言ってみたいです。皇室から「日の丸」に至るまで取り払ったとき自分たちは何を欲するかということを、深刻な思考実験としてやってみる必要がありはしないか、と



【朝日新聞】(2004年2月5日 朝刊 13面)

・日中間で安全保障上の協定を築き、韓国や台湾などとも新しい秩序を模索すべきです



【無念の戦後史】(西部邁著、講談社 P54)

・皇位継承にあって大事なのは、天皇の血統であるよりもむしろ、皇室の(家系としての)連続性だということになります。ここからいわゆる女帝の出現も認められるとしなければなりません


こんな動画もあります
菅直人・西部邁対談(報道2001より)

菅:まあ例えば天皇陛下は私はあのときに逮捕されていたほうが良かったと思いますね。

黒岩アナ:逮捕されたほうが良かった!

菅:退位、退位!

西部:だから僕両方言ってるわけですよ。菅さんが言ったことも本当ですしね、そのつまり天皇も含めてですね、法律的責任もない、政治的責任がなくてもですね、最終的にやっぱり道徳的責任はあったと考えるべきですよ

(注)

※菅直人は黒岩アナに「逮捕?」と突っ込まれてから、慌てて「退位」と言い直しています。ついつい、本音が出たのでしょう。
⇒戦前なら不敬罪で捕まる輩が今、日本国総理大臣の座に居座っています。世も末…orz

※西部邁氏の主張する、昭和天皇の「道徳的責任」の意味が全く不明です。
・「道徳的責任」とは、具体的に何を言いたいんでしょうね?開戦に反対され、最後のご聖断により我が国を破滅の危機からお救い下さったのは先帝陛下に他なりません。
・要するに昭和天皇の「退位」による皇統断絶を願っていたんでしょう。
・先の「王様夫婦をギロチンにかけ…」発言や女系天皇論発言でも、その意図は明らかではないでしょうか?



他にも首を傾げたくなる話、、というか、保守主義者以前に日本人としての良識を疑いたくなる話はありますが、当ブログを御覧の皆様には、こちらもご参照いただくことをお勧めします(ただし、血圧の高い方は読まない方が良いと思います)。


エセ保守監視小屋
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3408/




ご先祖様から子孫へと、我が国の領土や伝統を承継していくことは今を生きる私達の義務です。

私は上記の西部邁氏の発言からは、日本を保守するのではなく、破壊したいという怨念しか感じられません。
真に日本を愛し、子孫への相続の義務を感じている人であれば、冗談であっても口にしない言葉を堂々と公の場で言い放っています。

皇室に対する不敬発言、女系天皇論の開陳、日中間の安全保障上の協定締結の主張。。。
(アリバイ的に「日米安保は必要だ」と言いつつ、その真逆の日中による安全保障の協定なんて、どういうことなんでしょうね?)

こういう人は、保守主義者でも何でもなく、ハイエクの言うような、右翼(国家社会主義)と左翼(社会主義)の間を行ったり来たりする社会主義者なんでしょうね。


※ ご参考「右翼と左翼は同じ穴のムジナ」
http://megu777.blogspot.com/2011_07_31_archive.html